9 地被植物・低木

はじめに

 雑草を生やさない方法は除草剤が最も安価であるが、除草剤で枯れた草は美観を損ねる。枯れた草を集めて処理するのは結構な手間である。  防草シートは、寿命の最も長い10年もので坪単価は2,000円ほど、寿命8年のプロテージPOWER(コメリ)で660円ほどであるが敷地が広いので結構費用がかかる。  また、景観も味気ない。そこで、雑草を押さえる地被植物と低木を次の観点で検討し、試行錯誤してみたい。 ①できるだけ手入れを必要としない。 ②背丈が低く踏みつけに強い多年草または宿根草 ③常緑が望ましい ④樹木の下は背丈の低い木 ⑤植える場所が日向か日陰か ⑥勝手に増えない  落ち葉の多い場所、柿の木の下などは日陰に強く冬に地上部を枯らす植物が良いのではないだろうか。  他にも空き地に植える実のなる低木も検討した。


記号
:一年草
:越年草
:二年草
:多年草
:多年草常緑
宿:宿根草
宿:宿根草常緑
:地下茎
:匍匐茎
:常緑
:落葉
:冬に枯れる
:夏に枯れる
駆除:駆除
:整理
:移植
:日向
:半日陰
:日陰
:木本植物
:同定
:植樹予定
草花
イベリスセンペルヴィレンス
総合評価 ○
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写真:photoAC

科属
種類
 アブラナ科マガリバナ属
または宿(霜で枯れる)
大きさ15~20㎝
特徴和名トキワナズナ、ニオイナズナ
匍匐した枝に、茎が立ち上がる
日照耐陰性
増え方成長種子は動物散布(鳥)
 株分け、挿し芽
 直根性のため、移植を嫌う
手入手入不要
場所新規
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花期

クラピア
総合評価 ◎
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2023/10/25

K3K7K5
花の色ピンク薄ピンク
花の数多い少ない普通
背丈高い 低い普通
葉っぱの形丸い楕円形楕円形
成長スピード遅い 早い 早い
耐病性高い高い普通
科属
種類
 クマツヅラ科イワダレソウ属
宿(鹿児島では常緑)
大きさ 5~15㎝
特徴 改良イワダレソウで種子を作らない。
 種類により、ピンク、白、薄ピンクの花を咲かせる。
 クラピア用の除草剤がある。
日照耐陰性
増え方成長 匍匐茎による増殖。
手入 手入不要
 成長は早い 生育旺盛
場所新規
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花期
移植

①選択制除草剤で他の雑草を枯らすことができる。 ➁砂利(5~10㎜)の上でも穴が掘れるならば植栽可能。時期は4月から10月上旬。 ③15㎝ほどしか広がらないので20~30㎝間隔で植えないとカバーできない。


サギゴケ
総合評価 ◎
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写真:Flickr

科属
種類
 サギゴケ科サギゴケ属
大きさ 高さ3~8㎝
 横幅20㎝以上
特徴 花は白色または紅紫色で、白い花の品種をシロバナサギゴケ、紅紫色のものをムラサキサギゴケと区別することもある。
日照耐陰性
 日陰でも育つが花付きや繁殖力が落ちる。
増え方成長 株分け。匍匐茎を伸ばして増殖。
種子による増加が困難。種まきでは一般的には増やすことが出来ない。乾燥を嫌う。
 成長は早い
手入 手入不要
場所新規
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花期
株分

※鉢植えでも育てられるので防草シートの中に植えても生長すると考える。


シバザクラ
総合評価 △
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写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 ハナシノブ科クサキョウチクトウ属
大きさ 高さ10㎝
特徴 シバのように広がり、春にサクラに似た花を一面に花を咲かせ、花の絨毯のようで圧巻。
日照耐陰性
増え方成長 匍匐茎が3年で40~50㎝程度伸びる。
手入 手入不要。成長は遅い。
場所新規
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花期

スーパーアリッサム
総合評価 ○
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写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 アブラナ科ニワナズナ属
(-5℃以上で常緑)
大きさ 高さ20~30㎝
 株幅は50㎝(アリッサムは20㎝ほど)
特徴 スイートアリッサムの改良型で夏に強い。生命力が強く、冬枯れしても根が強く生きている
日照耐陰性
増え方成長 こぼれ種で増える。生育旺盛
 挿し芽、種まき、株分けで増やせる。
手入 手入不要
場所新規
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花期
挿芽
植替え

※アリッサムはアブラナ科アレチナズナ属  スイートアリッサムはアブラナ科ニワナズナ属


タピアン
総合評価 ◎
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写真:photoAC

科属
種類
 クマツヅラ科バーベナ属
(冬葉は減少)
大きさ 高さ10~20㎝
特徴 バーベナの園芸品種。雑草が生えるよりも先に繁殖。サントリーフラワーズが開発。
 クラピアと同じクマツヅラ科
日照耐陰性
増え方成長 種子、挿し芽
 茎伏せで伸びた匍匐茎を地面に埋めると発根する。成長は早い。
手入 手入不要
場所新規
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花期

タマリュウ
総合評価 ◎

プラティア(スターラベンダー)
総合評価 ○
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写真:PictureThis

科属
種類
 キキョウ科プラティア属
大きさ 高さ1~3㎝
 株幅30~50㎝
特徴
日照耐陰性
増え方成長 種子、挿し芽、株分け
 小さな葉が匍匐茎でマット状に広がる。蒸れて枯れやすい。踏圧に弱い。寒さに弱い。
 成長は早い
手入 手入必要
場所新規
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花期

ベロニカオックスフォードブルー
総合評価 ○
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写真:Flickr

科属
種類
 オオバコ科クワガタソウ属
大きさ 高さ10㎝
 幅40〜60㎝
特徴
日照耐陰性
増え方成長 種子、挿し芽、株分け。
匍匐性でよく分枝し、こんもりとした草姿で這うように広がる。匍匐茎では増えない。踏みつけには強くない
手入 手入は不要
場所新規
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花期

ヤブラン
総合評価 ○

ユキノシタ
総合評価 ◎
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写真:Flickr

科属
種類
 アジサイ科(ユキノシタ科)
大きさ 高さ20~50㎝(花茎含む)
特徴
日照耐陰性
増え方成長 種子は雨(水滴)があたった衝撃で種子が飛ばされる。
 匍匐茎(走出枝、匍匐枝)で増える。成長は穏やか。
 株分け、挿し木、葉挿で増やせる。
手入 根の張り方が浅く、手で簡単に抜け、増えすぎた時整理もしやすい。
場所新規
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花期
結実

※根止め板で匍匐茎の広がりをブロック

低木Ⅰ

 木には、樹皮の内側に形成層があり、ここで作った細胞を幹の内側へ送り出す。送り出された細胞はやがて細胞壁が残り、木部となる。草の場合はこの形成層が無い。ただし、厳密には区別できない。  菱刈街道沿いいの生垣の内側は防草シートの中に植えて雑草が生えないようにしたい。なお、生垣との間は、メンテナンス用の通路として幅50㎝ほど確保したい。


アジサイ

イブキジャコウソウ
総合評価 ◎
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写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 シソ科イブキジャコウソウ属
(冬葉は減る)
大きさ 樹高5~15㎝、幅30~50㎝
対生 直径5~10ミリ、幅3~6㎜の狭い卵形あるいは卵形
特徴 雌花と両性花が異株となる
 北海道から九州まで自生。植えて1年以上経つと雑草の発生が減ってくる。
 小さい葉なので、踏みつけにもまあまあ強い。クリーピングタイムとそっくり。
 7~8㎜の小さなピンク色の花をつけ
日照耐陰性
増え方成長 種子は自発散布
 株分け、挿し木
匍匐性で成長は早い
手入 手入不要
場所新規
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花期
挿木
植付

※防草シートの中に40㎝間隔で、植えっぱなしで良いのではないか


オタフクナンテン
総合評価 ◎
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写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 メギ科ナンテン属
大きさ 樹高20~50㎝、幅40㎝ほど
互生 ナンテンよりも丸みを帯びている。
特徴 雌雄異花同株
 ナンテンを改良した矮性品種で花や実はほとんどつかない。
 扱いやすいことや秋冬は赤い葉が美しい。
日照耐陰性
増え方成長 成長は年10㎝ほど。挿し木
手入 必要なし
場所新規
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植付
挿木

ギョリュウバイ

ジンチョウゲ
総合評価 ◎
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写真:Flickr

科属
種類
 ジンチョウゲ科
大きさ 高さ1~1.5m、幅0.5~2m
互生 長さ4~10㎝、幅2~3㎝ほどの長楕円形。表面は光沢があり、葉柄は短い。
特徴 雌雄異花異株であるが国内はほとんど雄株で実はならない。
日照耐陰性
増え方成長 挿し木は花後の4月は前年に伸びてきた枝、7~8月はその年に伸びた枝か前年に伸びてきた枝を利用。
手入 4〜5月に間引き剪定した方が良い
場所新規
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花期
植付
挿木

ハイビャクシン
総合評価 ◎
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写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 ヒノキ科
大きさ高さ30~60㎝
匍匐性で幅最大5m
特徴乾燥に強く、刈込みにも耐え、地面を這うように覆う。
日照耐陰性
増え方成長 挿し木は秋に今年成長した部分を約10~20㎝切り取り挿し穂とする。
 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くし、鹿沼土に幾つかの節を入れ深く挿す。
手入 手入不要
場所新規
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花期
結実
植付
挿木

防草シートの中に植えっぱなしで良いか検証が必要


マンリョウ

ヤブコウジ
総合評価 ○
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写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 サクラソウ科
大きさ高さ10~20㎝、幅15~20㎝
互生  長さ4~13㎝、幅2~5㎝の長楕円形。 葉柄は0.5~1.3㎝
特徴 雌雄異花同株
日照耐陰性
増え方成長  挿し木、種まき
 地下茎を伸ばして増えていくので、その地下茎を切り分けて株分けする。
手入 毎年剪定
 3月から4月に、株元から5㎝程度の高さで刈り込む。
場所新規
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花期
結実
挿木
移植
剪定

※防草シートの中に植えっぱなしで良いか検証が必要


フッキソウ
総合評価 ○
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2023/12/24 鹿児島空港

科属
種類
 ツゲ科フッキソウ属
大きさ 高さ15~30㎝、横幅30以上㎝(匍匐性)
互生 長さ2.5~9㎝、幅1.5~6㎝
特徴 雌雄異花同株
 茎に形成層があり、その外側に木部を作るので木本に分類されるが、増え方などは草本である。
日照耐陰性
増え方成長 株分け(3~5月、9~11月)
 匍匐茎が横に伸びて根を出す。
 種子散布は鳥や動物であるが、実をつけることはめったにない。
手入 広がりすぎた場合は刈り込み
 根止めで広がりを止める。
場所新規
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花期
植付
株分
低木Ⅱ(果実植物)  一般的に果実の実る樹木は背が低い。
イチジク
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写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 クワ科イチジク属
大きさ 高さ2~5m、畝幅~2.5m
互生 長さ20~30㎝、幅15~25㎝
 手のひら状に3~5裂
特徴 雌雄異花異株
日照耐陰性
増え方成長 成長速度は速い。苗木から2年ほどで実の収穫ができる。挿木で増やせる。
手入
場所新規
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花期
結実
移植
挿木

キシュウミカン(桜島小ミカン)
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写真:Flickr

科属
種類
 ミカン科
大きさ 高さ1.5~2.5m
特徴
日照耐陰性
増え方成長 木が小さいうちは、早く大きくするために、蕾のうちに花を落とす。
 苗木から5年目くらいから果実の収穫が可能。
 接ぎ木が一般的で、挿し木は実がなるまで2年ほど遅れる。
手入
場所新規
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花期
結実
移植

キンカン
写真 拡大

写真:Flickr

科属
種類
 ミカン科
大きさ 高さ~3m
 幅~3m
特徴 新品種で種なしのぷちまる金柑がある。
日照耐陰性
増え方成長
手入 苗木から2~3年で実がなる。
 接ぎ木が一般的で、挿し木は実がなるまで2年ほど遅れる。
場所新規
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花期
結実
移植

スモモ
写真 拡大

写真:Flickr

科属
種類
 バラ科サクラ属
大きさ 高さ2~4m
特徴
日照耐陰性
増え方成長 苗木から3~4年で実がなる。
手入
場所新規
 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3
花期
結実
移植
挿木

ジューンベリー
写真 拡大

写真:WikipediaCommons

科属
種類
 バラ科ザイフリボク属
大きさ樹高~5m
特徴
日照耐陰性
増え方成長苗木から3年ほどで実がなる。
手入
場所
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花期
結実
移植

ナツグミ
写真 拡大

写真:Flickr

科属
種類
 グミ科グミ属
大きさ 高さ3~4m
特徴
日照耐陰性
増え方成長 成長速度はやや遅い。徒長枝がよく伸びる。
 苗木からから実がなるまで3~4年。
手入
場所新規
 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3
花期
結実
移植

ナツミカン
写真 拡大

写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 ミカン科
大きさ 高さ~6m
特徴
日照耐陰性
増え方成長 苗木から5年くらいで実を結ぶようになる。
 接ぎ木が一般的で、挿し木は実がなるまで2年ほど遅れる。
手入
場所新規
 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3
花期
結実
移植

ブルーベリー

ボンタン
写真 拡大

写真:Wikimedia Commons

科属
種類
 ミカン科
大きさ 高さ3~4m
特徴
日照耐陰性
増え方成長 苗木から3~5年で実がなる。
 接ぎ木が一般的で、挿し木は実がなるまで2年ほど遅れる。
手入枝葉の出方は粗く、樹形をまとめにくい。
場所新規
 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3
花期
結実・収穫
移植
植栽計画
不向きな地被植物

参考資料
01 手入れ不要のグランドカバー25 pdf001
02 植えてはいけないグランドカバー8選 pdf002
03 茎(BotanyWEB 筑波大学) pdf003
04 おすすめの宿根草50種
05 PW(株式会社ハクサン)
06 住友化学園芸
07 花と緑の図鑑-Garden Vision

写真使用(低木)
01 オタフクナンテン Wikimedia Commons
02ジンチョウゲFlickr
03ハイビャクシンWikimedia Commons
04マンリョウWikimedia Commons
05ヤブコウジWikimedia Commons

写真使用(果実)
01イチジクWikimedia Commons
02キシュウミカンflickr
03キンカンFlickr
04スモモFickr
05ジューンベリーWikimedia Commons
06ナツグミFickr
07ナツミカンWikimedia Commons
06ブルーベリーPhotoAC
08ボンタンWikimedia Commons

写真使用(草花)
01 アップルミント Wikimedia Commons
02イブキジャコウソウWikimedia Commons
03イベリスセンペルヴィレンスphotoAC
05サギゴケFlickr
06シバザクラWikimedia Commons
07スーパーアリッサムWikimedia Commons
08スーパートレニアカタリーナWikimedia Commons
09セダム(マンネングサ)Wikimedia Commons
10ダイコンドラエメラルドフォールズphotoAC
11ダイコンドラミクランサ(アオイゴケ)PictureThis
12タイリンウツボグサPictureThis
13 タピアン photoAC
15ツルニチニチソウFlickr
16ハイゴケFlickr
17ヒメイワダレソウWikimedia Commons
18ブラッククローバー(クロバツメグサ)pxfuel
19プラティア(スターラベンダー)PictureThis
20ペニーロイヤルミントFlickr
21ベロニカオックスフォードブルーFlickr
22メカルドニアゴールドダストPictureThis
23ユキノシタFlickr
24リシマキア・ヌンムラリアWikimedia Commons
25ワイヤープランツFlickr

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