8 防草シートと整地

はじめに 防草シートのはたらき

 敷地内は雑草や蔦が生い茂り、生垣をはじめ、多くの樹木を痛め、十数本が枯れている。  ここまで雑草が生い茂ると多量の種子が落ちており、草を刈ると地下茎や地上茎で地面が見えないところもある。  このような状況で雑草を除草剤で根絶できるかというと無理である。地下茎を含む根まで枯らしたとしても、大量の種子が落ちていて次々に芽吹いてくる。また、風や鳥獣、昆虫などがいくらでも種子を運んでくる。それらを押さえるためには最終的には防草シートの活用しかないと考える。  敷地全体に防草シートを敷くのは得策ではない。生垣の下、庭木の下、家屋の周りに限定する予定である。そうすることで除草剤を散布しやすくなる。ある程度雑草が落ち着くまでは数年かかると考える。  グランドカバー植物も検討したいが先ずは除草と生垣の植え替えが先である。  防草シートの主な役割は次の三点  ①光合成を防ぐ  ②新芽を出させない  ③飛来した種子を定着させない

防草シートを敷くべき場所
 ①草刈機の使いにくい場所
樹木や生垣の下
石やブロック、煉瓦などの際
 ②除草剤の散布できない場所
樹木周り(特に苗木)
花壇の周り
 ③草が生えると困る場所
軒下や犬走り
門~玄関のアプローチ

防草シートの価格比較
品 名(※1)厚さ
耐用
年数
価格
A(※2)
価格
B(※2)
初期費
(※3)
高密度強力
防草シート(国華園)
PP
(※4)
0.46年12916 83,850
高密度ウィードガード
(コメリ)
PP8年13817 89,700
大面積専用草なし
シート(白崎Corp.)
PP0.310年18719121,550
ナックスS100
(白崎Corp.)
PP0.48年19324125,450
ナックスEXエコノミー
(白崎Corp.)
(※5)
PEs0.35210-136,500
プロテージPOWER
(コメリ)
PEs0.58年21827141,700
グランキープ
(コメリ)
PP0.810年29630192,400
不織布製防草シート
(モノタロウ)
PP0.810年38138247,650
防草シート240G
(ザバーン)
13年60146390,650
ナックスG160
(白崎Corp.)
PP
PEs
1.110年58358378,950
ナックスS310セット
(白崎Corp.)
PP2.010年70070455,000
とことん草なしシート
(白崎Corp.)
PP2.010年77077500,500
写真
※1 青字はリンクあり。
※2 価格Aは1m2あたりの価格。価格Bは1m2、1年あたりの価格
黒字は2023年の価格、赤字は2024年1月の価格
※3 650m2に設置した場合の価格
※4 PP:ポリプロピレン ,PEs:ポリエステル
※5 ナックスEXエコノミーは砂利下専用
:不織布  :平織
 平織はチガヤなど葉先の尖った雑草を防ぐには不向き。
プロテージPOWERを第一候補とする。プロテージPOWERは厚いので砂利下でも使用できるのではないか。
シートの施工方法 敷く前に

 防草シートを敷く際は、事前に除草する。そのまま敷くと下の雑草がシートを傷つけたり、害虫の住みかになってしまったりする可能性が高くなる。除草が済んだら土地を平らに整地する。  雨の日の作業はやりにくい。せっかく整地した地面が、歩くとデコボコになる。 ※転圧機レンタル料1日¥2,380(コメリ要予約)

イネ科雑草チガヤやスギナがある場所は、除草剤で枯死させる。
小石や木の枝などを全て除く。
雑草が繁茂している場所は、チップソーで根元で刈り取る。
落ち葉や刈った草を除く。
できるだけ凸凹がないように整地する。
凸凹が激しいところはシートにシワが生じないように整地する。
除草剤を撒く。
シートを敷き、留める。

※シートの下には大量の種子や地下茎が残ってしまうが、これを取り除くのは不可能である。種子は何十年も休眠するし、地下茎も外から進入する。耐用年数が過ぎたら張り替える必要がある。

敷く時期

 雑草が生える前の早春でもよいが、秋冬に残った雑草の処理と並行して防草シートを敷くと、より効率的に作業できる。

シートの押さえ
専用ピン
写真

 ピンは50~100㎝間隔で打ち込む。シートの重なりは10㎝程度。  ピンも結構な値段なので選定に注意。また鉄製なので送料を確認する必要がある。

品 名線径
長さ
販売
単位
価格円1本
価格
亜鉛メッキシート押さえ
ワッシャー付(国華園)
-
15㎝
100本送料含
1,980
20
らくらくシート押さえピン
第一ビニール(コメリ)
3.4mm
20㎝
100本2,98030
防草シート専用U型ピン
白崎Corp.
4mm
20㎝
150本送料含
5,280
35
地先ブロック・レンガ・自然石

 建物の周りや樹木の周りはピンを使わずに、地先ブロックやレンガ、自然石を使っても良い。 シートの総面積は650m2、1m2あたり6本のピンを使用すれば、3,900本(単価20円のとき78,000円)必要になるので、できるだけ既存のレンガなどを使う予定。

植物を植えるとき

 防草シートに花などを植えるとき、株が大きいきは「十字切り」、株が小さいときは「T字切り」で穴を開ける。 法面で小さい苗を植えるときは「逆T字切り」で穴を開ける。

落ち葉はある程度防草シートの役割をはたす。また、草刈り機で刈った草も同様の働きをするが雨で腐って臭うこともある。
防草シートの上に生えた雑草は、手で抜くのも簡単である。雑草が突き破って出てきたり、キワから生えた場合は除草剤で対応する。 防草シートは、透水性があるので、液体の除草剤を散布することができる。
整地計画
防草シート設置場所

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